「保健福祉総合センター」「短期入所・デイケア施設」併設案を提示
奄美和光園将来構想で国賠訴訟・西日本弁護団
奄美市は将来構想検討委で方針検討へ
奄美市名瀬和光町の国立療養所「奄美和光園」の将来構想を検討するため、ハンセン病国家賠償請求訴訟・西日本弁護団が五日に奄美入りし、和光園の入所 者や園長、市市民福祉部長らと懇談した。同弁護団は園の将来構想案として、奄美地域の保健福祉総合センター、または高齢者や障害者の短期入所・デイケア 施設の併設案を提示。市は和光園の将来構想検討委員会を近く再開し、対応方針を検討する。
奄美和光園の将来構想については、旧名瀬市や医療・福祉関係者でつくる検討委員会が〇四年七月に国立長寿検証センター(仮称)の併設案を厚労省に要 望。しかし、厚労省からの返答はなく、全国ハンセン病療養所入所者協議会の役員も実現性を否定している。
西日本弁護団の徳田靖之弁護士は奄美市の中山成樹市民福祉部長と懇談し、「国立長寿検証センター案は厳しい。具体的に実現性ある課題を一緒に追求した い」と提案。その上で、保健所や児童相談所などの機能を合せ持つ「保健福祉総合センター」、高齢者や障害者の短期入所・デイケア施設の併設案を示した。
市は・入所者の希望実現を支援する・群島民のために国立の医療施設を残し活用するー方針を堅持するが、中山部長は「六月議会後にも、笠利や住用も含め て将来構想検討委を再構築し、今後の対応を検討する。夏までに市の方向性を明らかにしたい」と応じた。
和光園では今年度から、厚労省が居住棟や病棟を一極集約する施設整備に着手する。現在六十四人いる入所者(平均年齢八十歳)は二〇一〇年には五十人を 割る見込みで、園の民間開放など、施設整備後を見据えた将来構想が切迫した課題となっている。
同弁護団と懇談した入所者からは「新しい施設が併設されて、園から追い出されたりしないか」と不安の声が寄せられたが、弁護団は「将来構想は、皆さん が寂しくなく暮らせるためのもの。本末転倒なことにはさせない」と強調した。懇談では同弁護団から、らい予防法廃止十周年と国賠訴訟熊本地裁判決五周年の記念集会を、今年十月に奄美市内で開く考えも示された
(地元新聞大島・6月8日)が伝える。
posted by Moriyama Kazutaka at 01:22|
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